乗用車と違って、重量物を乗せて走るトラックの坂道(特に下り)は大変危険で、僕に関しては今でも緊張しますし、かなり神経を使う所でもあります。
特にコンテナドライバーにおいては、繋いでいるシャーシの状態やコンテナの中身が何かわからない物、重量がわからない物もありますので、誤った判断や操作は命に関わると言っても決して過言ではありません。
ニュースでご存知の方もいらっしゃると思いますが、実際に約2年前、奈良県の名阪国道の天理の下りで、残念ですが若いドライバーの方がお亡くなりになられています。
ハッキリとした原因はわからないみたいですが、恐らくブレーキのフェード現象(加熱によってブレーキが効かなくなる)が原因だと思われます。
ただ、後述しますが、そもそもシャーシのブレーキは正常だったのか?というのが僕の思うところではあります。
そういう事で、この記事では上記のような事故が無い様、坂道を走行する際に注意すべき事を解説していきますので、どうか意識していただいて、事故防止に努めていただければと思います。
上りでの注意点
急な坂道ではギアを低速ギア固定にする
坂の上りでの注意点ですが、重量物を引いていて勾配のきつい坂道を上る時は、いちばん低いギア(ローギア)で上がっていく事もあり、あらかじめギアを登っていくギアに固定しておかないと、オートマチックではシフトダウンのわずかな時間でも失速してしまい、やがて車が止まってしまいます
一旦止まってしまったら前進ができなくなるので、平らな道までバックするしかありません。
後続車がいればさらに大変です。
経験談ですが、僕は研修から独り立ちして間もなく、配達途中の山道を登っていてこれを経験しました。
オートマで走行していて坂の途中で止まってしまい、前進できないことに「えっ!?」という状態です。
流石にどうしていいかわからず足が震えてきて、前進できないわ、後続車がいっぱいいてるわ、ブレーキはガンガン踏むからエアーが無くなって警告ブザーが大音量で「ビ〜〜ッ!!」て鳴るわ、お客さんから「到着まだか?」の連絡はかかってくるわでパニックです。
とりあえず落ち着いて、後続車に説明して先に行ってもらい、エアーを溜めもって平らなところまでバックし、低速ギア固定で登っていってクリアできました。
速度域の高い道路での坂道走行
関西で言うと、名阪国道の天理の登りがありますが、見通しの悪い、速度が乗る勾配のきつい道路では、危険ですので後続車の追突を防ぐ為ハザードを点灯しながら走行するようにしましょう。
下りでの注意点
油断するとかなり危険
この記事の本題と言ってもいい下りでの注意点ですが、ズバリ油断しない事です。
重量物を引っ張って坂道を下っていると、ブレーキが焼けて煙が出る事もたまにあるみたいで、先輩から「今日、天理の下りで煙出てきてブレーキ効かんようになったわ〜」て言うのを何度か聞いたことがあります。
20トン程のそこまで重くない荷物なのですが、これが30トンを超える物だとしたらです。
20トン程の物でもスピードに乗っていると、補助ブレーキでは追い付かずに加速していくのに、30トン程になるとどうなるのか?
下りに入った所でスピードに乗っている状態だと、間違いなくエンジンブレーキ、排気ブレーキ、リターダーの各補助ブレーキも全くと言っていいほど追い付かなくなっていき、どんどん加速していきます。
フットブレーキをたくさん踏む→それでもなかなか減速しない→強くブレーキを踏む→ブレーキが焼けてくる→フェード現象でブレーキが効かなくなる。確実にこう言う状態になります。
坂道後半でなら、まだ降り切ったとこから各補助ブレーキのみで減速していくことはできますが、これが下り序盤でなってしまうと、もうどうしようもなく、全てのブレーキが効かなくなります。
あとは…想像するだけでゾッとしますね。
ポイントは、下りに入るまでに十分な減速をしておく事です。
「減速しすぎでちょうどいい」ぐらいの感覚でいいです。
【減速しすぎは速度を上げられますが、スピードの出し過ぎは止まれなくなります!】
これを必ず頭に入れておいてください
登ったギアで下る
これは、コンテナ歴40年を超える超ベテランの先輩に教えてもらった事で、大事にしている言葉がありまして、それは
「登ったギアで下る」と言うこと。
これを意識するだけで、下りの事故は確実に防げます!
実際に、僕がよく走る奈良県の名阪国道で例えると、三重方面からの下り線で、五月橋、山添の上り坂で勾配が5〜6%で、天理の下り坂も同じく勾配6%です。
車のギアに関しては、五月橋、山添の上りで8番9番を使用しますが、天理の下りにて、補助ブレーキのみのスピードが一定で下っていけるのは9番です。
これでちょうど何もせずに大体60キロキープで降りていける感じになります。(フットブレーキでの細かな微調整は必要)
と言うことで、「登ったギアで下る」と言うことを頭においておくようにしましょう
低速ギアになればなるほどエンジンブレーキは効く
車のギアは低速になればなるほどエンジンブレーキが効きますので、上でもお伝えしたとおり、減速しすぎでちょうどいいとはこの事で、エンジンブレーキで減速いていけるところから、減速しすぎなら速度を上げていけばいいだけです。
おそらくある程度の速度まで来ると、減速しなくなるところが来るので、それ以上は必ずスピードを上げないようにしてください。
そして、その速度が低ければ、後続車の追突を避けるためにハザードを点灯しながら走行するようにしましょう。
コンテナのシャーシは注意が必要!
冒頭でもお伝えしたとおり、コンテナに関しては、自分専用のシャーシというのは中々難しく、いろんなシャーシを繋ぐことになります。
シャーシによってもブレーキが効く、効かないが様々なので注意が必要です。
僕の会社でも、車検は通るが、シャーシブレーキがあまり効かないものがいくつかあり、これらのシャーシを引く時は、それなりの運転をしないと危険なので気を付けています。
これで長い下りなど走るとなると、シャーシブレーキがあまいと、その分ヘッドのブレーキに負担がいくので焼きつきも起こりやすくなり非常に危険です。
また、シャーシのブレーキが効かないということは、下りでは常にシャーシがヘッドを押している状態で、ブレーキング時にはジャックナイフ(ヘッドがシャーシに押されてくの字に曲がる)の危険が高まります。
カーブを曲がりながらのブレーキはかなり危険ですので、カーブに入る前の直線で十分に減速してから曲がっていくようにします。
このようなブレーキのあまいシャーシを引くときは、いつもよりも特に気を付けて運転してください。
大袈裟に「ゆっくり走る」ぐらいで丁度いいです。
まとめ
と言うことで、坂道の走行について書いてみました。
一つ間違えば、大袈裟ではなく死亡事故にもつながるので、自分が思っているよりも慎重に運転して丁度いいぐらいと思っていてください。
上りのポイント
- 急な上りでは止まると前進不可能
- 低速ギア固定で上る
- 見通しの悪い上りの低速走行はハザード点灯
下りのポイント
- 登ったギアで下る
- 下り入り口までに十分な減速をする
- 減速しすぎは速度を上げれるが、速度の出し過ぎは止まれない
- 低速ギアになればなるほどエンジンブレーキは効く
- 低速で下る際はハザード点灯
このポイントを頭の片隅にでも置いておけば、いざと言うときの場面でふと思い出して安全な対処ができると思います。
事故の無いよう、安全運転で楽しく仕事をしましょう!
ご安全に!



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